BLack†NOBLE

「蔵人、お前は弟の面倒を見てくれ。
瑠威は、蔵人の言うことをよく聞くんだぞ?

 外には出るな。それから家の中のモノを破壊するな。悪巧みするのは勝手だが、必ず俺を納得させる成果をだせよ」


 父親が、息子たちの肩を叩く。


「さあ、藍でかけよう」

 父子の、短いやり取りに藍は唖然としつつも小さく頷いた。


 それでも名残惜しげに息子たちを振り返る藍。


「大丈夫だよ。この家は、二十四時間セキュリティ付きだ」

 そう耳元で佑が囁くと、藍は安心して頷いた。


「それもそうね。佑が冷たいから、心配になっちゃった」


「いつまでも優しくしてやることが親の勤めではない」と言いながら、幼い息子たちを横目で見た佑はどこからどうみても、息子たちを心配する父親だった。




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