一番星の愛情物語
いろはさまはよく意味が分かりませんでしたが、類司さまはメモ帳に何かを書いて、渡しました。


「嗣兄を知ってくれるのはありがたいよ。その分、いろはちゃんも嗣兄に色々教えないとね」


いろはさまは苦笑しました。


「わたしには大したことは……」


類司さまは、口元を緩めました。


「些細な事でも、嗣兄は喜ぶよ。何でも」


類司さまは、立ち上がった。


「さて、仕事場を案内するよ。いろはちゃんは営業の留守番ね。……実は、営業室には僕の恋人がいてね。いろはちゃんからみて二学年上になるかな?」


類司さまは、営業室に案内してくれた。


「結ちゃん~」


クルッと振り返ったのは、先日、薬をくれた女性だった。


いろはさまを見て瞬きをし、笑顔を向けてくれた。
< 69 / 131 >

この作品をシェア

pagetop