解ける螺旋
好きなのかもしれない。
そう感じたのが私自身じゃないなんて言われたら、私は自分の気持ちの何を信じればいいんだろう。
私が知らない、他の世界で繰り返された出来事。
先生しか知り得ない他の世界の私は、もしかしたら健太郎の恋人だったかもしれないし、先生の恋人だったかもしれない。
私の気持ちが『他の私』の気持ちに影響されているだけだとしたら、今、私は何を信じればいいんだろう。
自分が自分じゃなくなる様な妙な感覚。
心と身体が分断されて行く浮遊感に、私は必死に抵抗する。
だから今、『自分自身』で感じたかった。
樫本先生に会った時、一番先に浮かぶ感情は何なのか。
怖れか怒りか、憎しみか悲しみか。
それとももっと他の感情か。
今はただ、『自分』を信じたい。
だから逢いたい。逢って自分の心を試してみたい。
本当に自分が信じられなくなる前に。
冬を迎える夜の空気は冷たい。
私は自分の身体を抱きしめて、マフラーに顔を埋めて体温を保とうとした。
その時。
「……君、何してるの?」
訝しさを孕んだ声が聞こえた。
そう感じたのが私自身じゃないなんて言われたら、私は自分の気持ちの何を信じればいいんだろう。
私が知らない、他の世界で繰り返された出来事。
先生しか知り得ない他の世界の私は、もしかしたら健太郎の恋人だったかもしれないし、先生の恋人だったかもしれない。
私の気持ちが『他の私』の気持ちに影響されているだけだとしたら、今、私は何を信じればいいんだろう。
自分が自分じゃなくなる様な妙な感覚。
心と身体が分断されて行く浮遊感に、私は必死に抵抗する。
だから今、『自分自身』で感じたかった。
樫本先生に会った時、一番先に浮かぶ感情は何なのか。
怖れか怒りか、憎しみか悲しみか。
それとももっと他の感情か。
今はただ、『自分』を信じたい。
だから逢いたい。逢って自分の心を試してみたい。
本当に自分が信じられなくなる前に。
冬を迎える夜の空気は冷たい。
私は自分の身体を抱きしめて、マフラーに顔を埋めて体温を保とうとした。
その時。
「……君、何してるの?」
訝しさを孕んだ声が聞こえた。