解ける螺旋
今逢いたい。直ぐ逢いたい。
私の決心が、凍えてしまう前に。


行っても逢えないかもしれない。
ううん、もう本当に逢う事はないんじゃないかとも思った。


もう愁夜さんはこの世界の私を見限って、他の世界に行ってるかもしれない。
その可能性が高いとわかっていても、愁夜さんのマンションに向かってしまう。


少なくともこの世界にある愁夜さんの居場所。
ほんの少しの間だけでも、確かにこの世界にも愁夜さんの居場所は確保されていたんだから。


戻って来るかはわからないけれど。
この世界の結末を確認せずに愁夜さんが消えてしまう事はないと信じたくて、私は足を速める。


もう逢えないかもしれないと思ったら、怖かった。
健太郎の言う通り、次に逢ったら、その時は殺されるのかもしれないと思っていたけど。


逢えないまま、一人で生きて行く方が怖いと思った。
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