解ける螺旋
――惚れちゃった訳じゃないよね?


その答えはまだわからないけど、今の私がはっきりと断言出来る事。


「私が誰を好きかとかじゃなくて。
愁夜さんの未来に必要とされない私なら、要らないから」


愁夜さんが目を丸くして息を飲んだ。
その反応を見ていたら、一度止まった涙がまたこみ上げてきた。


「私、知ってるもん。
愁夜さんがパーティーの後で私を殺す必要があった理由。
私と健太郎が恋人同士にならない様に、干渉しようとしてた理由。
健太郎が西谷さんを好きになるようにしたかったんでしょ?
二人が出会うまでは私が絶対必要で、だけどその後は私が一番邪魔で」


必死に言ってるうちに、声が掠れた。
愁夜さんは黙ってる。
だからこそ、その通りだと言われてる様な気がした。


「……つまり結局、俺の望む未来に君は要らない。
何度世界を繰り返して、何度君に出会っても、それだけは変わらないんじゃないかな。
……で、俺はこの先ずっと、君を殺し続ける」

「愁夜さんの世界には、元々私が存在しないんですよね。
だから愁夜さんが干渉を止める時が来ても、私は愁夜さんと同じ世界にいられないのかもしれない。
愁夜さんの世界が私を拒んでるのかもしれない。
だけど、今この世界の私は、それが悲しいって思うの。
……今日ね、『西谷愁夜』さんに会って来たんです」

「……俺に?」


愁夜さんが戸惑った声を上げる。
私はそれを聞きなが小さく頷いた。


「とっても明るくて、元気で幸せそうで。
私に会えて良かったって言ってくれました。
……あれが本来の愁夜さんだって言うなら……」

「……そっか。この世界の『俺』と、ね」


私の言葉に、愁夜さんは独り言の様に呟いた。
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