Rainy days never stay~心の傷痕~
正に曲がろうとしたそのとき、後ろから手を引っ張られた。

何がなんだかわからないまま、塀の死角に連れて行かれる。

「やっと捕まえた。僕の桜ちゃん。
もう離さないよ。」

電話口から聞こえてくる、あの低い声。

私は恐怖のあまり、声も出ない。

「いつもあの野郎、僕の桜ちゃんに馴れ馴れしくしやがって。」

どうしよう、震えて足に力が入らない。

両手は頭の上で抑えられていて、全く身動きができない。

「その顔そそるね。笑っている顔も好きだけど、怯えてる顔もかわいいよ。」

そういって、彼の顔が近付いてくる。

私は反射的に顔を避けた。

・・・気持ち悪いよ。


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