主さまの気まぐれ-百鬼夜行の王-【完】
息吹に部屋を占領されてしまったせいで、同じ空間に2人きりでいると何をしでかすかわからない主さまは広間で寝転がっていた。
「主さま…何やってるんですか?部屋で寝て下さいよ」
「息吹が寝ている。…昨晩は色々大変だったんだ、寝かせておいてやれ」
「ほんっとわかりにくい愛情ですねえ」
息吹が着ていた淡い藤色の着物を綺麗に畳み、家事を一手に引き受けていている山姫が居なくなると、片肘をついていた主さまは手を伸ばして着物を引き寄せた。
…良い香りがする。
少し甘くて花のような香りがして、まるで息吹を腕に抱いているような気分になって目を閉じると…そのまま寝てしまった。
「あらあら」
主さまの寝顔を見れることなど滅多になく、山姫が薄い掛け布団をかけてやって団扇で扇いでやっているうちに夕方になり、百鬼たちが集結する時間帯になった時、晴明が息吹を迎えにやって来た。
「おや…私の娘の着物を腕に抱いて寝ているとは…この変態め」
「ん……、なんだ…晴明か…」
「なんだとはなんだ。その着物を返してもらおうか。で、私の娘はどこに?」
「主さまの寝室で寝てるよ」
真っ白な直衣姿の晴明が主さまの許しなく勝手に寝室の襖を開けて中へ入ると息吹は気持ちよさそうにすやすやと眠っていて、起こさないようにそっと抱き起すと、むくりと起き上がった主さまをじろりと睨んだ。
「よもや妙なことをしたのではあるまいな。嫁入り前なのだ、手を出したら許さぬぞ」
「父親のような口ぶりだが、あれの父代わりは俺だぞ」
「ほう、昨今の父代わりは娘に懸想してしまうものなのか?ややこしや、ややこしや」
「…」
ぐうの音も出なくなった主さまをやりこめることに成功した晴明は腕の中に視線を落とし、仏頂面の主さまは逆に晴明に疑問を問うた。
「お前は息吹と共に生活して何も思わないのか?その…女として…」
「なに?息吹は私の娘だと言ったろうが。娘に手を出す親など獣以下だぞ。…ああ悪かった、別にそなたが獣以下だと言っているわけではないからな」
…本当に性格が悪い。
そう思いながらも、言い返せなかった。
「主さま…何やってるんですか?部屋で寝て下さいよ」
「息吹が寝ている。…昨晩は色々大変だったんだ、寝かせておいてやれ」
「ほんっとわかりにくい愛情ですねえ」
息吹が着ていた淡い藤色の着物を綺麗に畳み、家事を一手に引き受けていている山姫が居なくなると、片肘をついていた主さまは手を伸ばして着物を引き寄せた。
…良い香りがする。
少し甘くて花のような香りがして、まるで息吹を腕に抱いているような気分になって目を閉じると…そのまま寝てしまった。
「あらあら」
主さまの寝顔を見れることなど滅多になく、山姫が薄い掛け布団をかけてやって団扇で扇いでやっているうちに夕方になり、百鬼たちが集結する時間帯になった時、晴明が息吹を迎えにやって来た。
「おや…私の娘の着物を腕に抱いて寝ているとは…この変態め」
「ん……、なんだ…晴明か…」
「なんだとはなんだ。その着物を返してもらおうか。で、私の娘はどこに?」
「主さまの寝室で寝てるよ」
真っ白な直衣姿の晴明が主さまの許しなく勝手に寝室の襖を開けて中へ入ると息吹は気持ちよさそうにすやすやと眠っていて、起こさないようにそっと抱き起すと、むくりと起き上がった主さまをじろりと睨んだ。
「よもや妙なことをしたのではあるまいな。嫁入り前なのだ、手を出したら許さぬぞ」
「父親のような口ぶりだが、あれの父代わりは俺だぞ」
「ほう、昨今の父代わりは娘に懸想してしまうものなのか?ややこしや、ややこしや」
「…」
ぐうの音も出なくなった主さまをやりこめることに成功した晴明は腕の中に視線を落とし、仏頂面の主さまは逆に晴明に疑問を問うた。
「お前は息吹と共に生活して何も思わないのか?その…女として…」
「なに?息吹は私の娘だと言ったろうが。娘に手を出す親など獣以下だぞ。…ああ悪かった、別にそなたが獣以下だと言っているわけではないからな」
…本当に性格が悪い。
そう思いながらも、言い返せなかった。