優しい手①~戦国:石田三成~【完】
何故か国主が集ってしまい、政宗の部屋割を考えていた三成の前に桃が駆け込んできた。
「どうした?」
手にした本を閉じながら歩み寄って来た三成の大きな手に触れた。
「も、桃?」
「政宗さんに太股撫でられちゃった…」
本当はもっとすごいこともされたのだが、それは伏せて訴えると瞳がすっと細くなり、強く腰を抱かれて引き寄せられる。
「伊達政宗は色好きで有名だ。気を抜いていると…頭から食われてしまうぞ」
「謙信さんにしろ政宗さんにしろ…セクシーな人が多くて困っちゃう」
無言になった三成を仰ぎ見るとやや不満げな顔をしている。
「三成さん?」
「…一国一城の主ともなれば、万人を引き付ける魅力を持っている。…俺をやきもきさせて面白いか?」
――三成の手が、政宗の時と同じような動きで太股を撫でた。
「や…っ」
「桃が誰を選ぼうとも俺には何も言えぬ。俺に何と言ってほしいのだ?」
…そう聞かれてしまうと、何故こんなにも三成に全てを話せてしまうのかわからない。
三成なら全て聞いてくれて、全て受け入れてくれそうな気がするのだ。
「だって…三成さんが一番優しいんだもん…」
――“優しい”だのと言ってくるのは桃くらいなもので、驚きすぎて目を見張る三成の腰を桃がくすぐって笑わせる。
「もしかして照れてる?三成さんが一番だよ!…今んとこね」
最後にわざとそう付け加ると、姫抱っこされた桃はそのまま畳に押し倒された。
「謙信より優しいか?」
「謙信さんは優しいっていうか…よくわかんない」
「そこが魅力だという者も多い。逆に俺は敵が多い。一国一城の主でもないしな」
つんとする三成が手を重ね、指を絡めてきて見つめ合った。
謙信も政宗も綺麗な顔をしているが、三成の顔を一番好きだと思う。
だけどこれ以上深みにはまってはいけないと自制する。
「…私が誰も選ばなかったらどうするの?」
「そなたは俺を選ぶに決まっている」
近付いてきた唇を拒絶できずに目を閉じると、優しくキスされて胸が高鳴った。
優しい三成にのめり込むばかりだ。
「どうした?」
手にした本を閉じながら歩み寄って来た三成の大きな手に触れた。
「も、桃?」
「政宗さんに太股撫でられちゃった…」
本当はもっとすごいこともされたのだが、それは伏せて訴えると瞳がすっと細くなり、強く腰を抱かれて引き寄せられる。
「伊達政宗は色好きで有名だ。気を抜いていると…頭から食われてしまうぞ」
「謙信さんにしろ政宗さんにしろ…セクシーな人が多くて困っちゃう」
無言になった三成を仰ぎ見るとやや不満げな顔をしている。
「三成さん?」
「…一国一城の主ともなれば、万人を引き付ける魅力を持っている。…俺をやきもきさせて面白いか?」
――三成の手が、政宗の時と同じような動きで太股を撫でた。
「や…っ」
「桃が誰を選ぼうとも俺には何も言えぬ。俺に何と言ってほしいのだ?」
…そう聞かれてしまうと、何故こんなにも三成に全てを話せてしまうのかわからない。
三成なら全て聞いてくれて、全て受け入れてくれそうな気がするのだ。
「だって…三成さんが一番優しいんだもん…」
――“優しい”だのと言ってくるのは桃くらいなもので、驚きすぎて目を見張る三成の腰を桃がくすぐって笑わせる。
「もしかして照れてる?三成さんが一番だよ!…今んとこね」
最後にわざとそう付け加ると、姫抱っこされた桃はそのまま畳に押し倒された。
「謙信より優しいか?」
「謙信さんは優しいっていうか…よくわかんない」
「そこが魅力だという者も多い。逆に俺は敵が多い。一国一城の主でもないしな」
つんとする三成が手を重ね、指を絡めてきて見つめ合った。
謙信も政宗も綺麗な顔をしているが、三成の顔を一番好きだと思う。
だけどこれ以上深みにはまってはいけないと自制する。
「…私が誰も選ばなかったらどうするの?」
「そなたは俺を選ぶに決まっている」
近付いてきた唇を拒絶できずに目を閉じると、優しくキスされて胸が高鳴った。
優しい三成にのめり込むばかりだ。