優しい手①~戦国:石田三成~【完】
その日はまた途中で馬を替え、ただひたすら山奥を駆け抜ける。
ただクロだけは替えが利かないので必然的に後方を走ってペースを抑え、結果的に脚を引っ張る形になる。
「ごめん、私のせいだよね」
「そんなことはないよ、行程は順調に進んでるし。今宵宿に泊まったら明日中には越後領内へと入れる。だから心配しないで」
馬と馬がぶつかりそうになる位近づけてきては背中を撫でてくれて、また清野や三成の反応が気になったが、今はなりふり構っていられない。
「クロちゃん、あと少しで宿に着くから頑張ってね!」
励まされてやる気になったクロがペースを絞りながらも力強い足取りで走ってくれたおかげで信濃領内を半分ほど過ぎたところで日が暮れ、走れなくなる寸前に宿へ着いた。
桃はもうくたくたで、クロから降りるとその場にへたり込む。
「桃姫!」
半ば熱中症に近い症状が現れて、謙信が桃に触れる寸前に抱きかかえると足早に宿へと入りながら幸村に指示を与える。
「水を沢山用意してもらえ!」
「はっ!」
政宗と小十郎、兼続が慌てて三成の後を追い、部屋に運び込むと呼びかけても意識のない桃のセーラー服を脱がせた。
「み、三成!そなた…」
「四の五の言うな!身体を冷やすことが先決だ、手伝え!」
幸村が宿の主人と共に盥に入った大量の水と手拭いを持って来て、皆で手拭いを水で冷やして桃の腕や脚、首や胸を冷やしてゆく。
それでも意識の混濁は続き、小さく声が漏れる。
「みつ、な……さ…ん」
「…頑張れ、すぐに身体は冷える」
上半身を起こし、竹筒から水を口に含むとそのまま桃の唇に唇を重ねて水を飲ませる。
「ごほっ、う、ごほ…っ」
――ぼんやりと目を開くと、心配そうに覗き込んでいる顔が見えた。
「三成、さん…」
「我慢せずに疲れた時は言えと言ったはずだぞ」
「だって……」
「説教は後だ、もっと飲め」
口移しで何度も飲ませたが、政宗たちは口を挟まなかった。
そしてある程度桃の体調が快方に向かった時、政宗が気付く。
「?謙信と清野はどうした?」
ただクロだけは替えが利かないので必然的に後方を走ってペースを抑え、結果的に脚を引っ張る形になる。
「ごめん、私のせいだよね」
「そんなことはないよ、行程は順調に進んでるし。今宵宿に泊まったら明日中には越後領内へと入れる。だから心配しないで」
馬と馬がぶつかりそうになる位近づけてきては背中を撫でてくれて、また清野や三成の反応が気になったが、今はなりふり構っていられない。
「クロちゃん、あと少しで宿に着くから頑張ってね!」
励まされてやる気になったクロがペースを絞りながらも力強い足取りで走ってくれたおかげで信濃領内を半分ほど過ぎたところで日が暮れ、走れなくなる寸前に宿へ着いた。
桃はもうくたくたで、クロから降りるとその場にへたり込む。
「桃姫!」
半ば熱中症に近い症状が現れて、謙信が桃に触れる寸前に抱きかかえると足早に宿へと入りながら幸村に指示を与える。
「水を沢山用意してもらえ!」
「はっ!」
政宗と小十郎、兼続が慌てて三成の後を追い、部屋に運び込むと呼びかけても意識のない桃のセーラー服を脱がせた。
「み、三成!そなた…」
「四の五の言うな!身体を冷やすことが先決だ、手伝え!」
幸村が宿の主人と共に盥に入った大量の水と手拭いを持って来て、皆で手拭いを水で冷やして桃の腕や脚、首や胸を冷やしてゆく。
それでも意識の混濁は続き、小さく声が漏れる。
「みつ、な……さ…ん」
「…頑張れ、すぐに身体は冷える」
上半身を起こし、竹筒から水を口に含むとそのまま桃の唇に唇を重ねて水を飲ませる。
「ごほっ、う、ごほ…っ」
――ぼんやりと目を開くと、心配そうに覗き込んでいる顔が見えた。
「三成、さん…」
「我慢せずに疲れた時は言えと言ったはずだぞ」
「だって……」
「説教は後だ、もっと飲め」
口移しで何度も飲ませたが、政宗たちは口を挟まなかった。
そしてある程度桃の体調が快方に向かった時、政宗が気付く。
「?謙信と清野はどうした?」