優しい手①~戦国:石田三成~【完】
風呂場に置いていた下着類は宿の女将が風呂敷に包んでくれていて、

幸村が辺りを見守る中手洗い場で下着を手探りで洗濯して、幸村に干してもらう。


…もちろん、幸村の抵抗も凄まじかったが。


「姫、拙者が…干すのですか!?」


「男の人にこんなのお願いするの恥ずかしいけど…でもお願い!物干しざおに引っかけてくれるだけでいいから!」


――淡いピンクのブラとショーツのセット。

幸村の居るであろう方向に向かって差し出すと何とか受け取ってくれて、動く気配がした。


「…お、終わりました」


――戦国時代、女性には「下着」を履くという風習はなかった。


なので幸村にとって桃が恥ずかしげに差し出したものは何であるかよくわからなかったが、触れてはならないものだということだけはわかる。


「ひ、姫?その…お着替えというのはその…またあれを…」


「あ、もう1セットあるの。高校にはシャワー室があったから替えを入れてあってよかったー」


南蛮語が出てきて、ほとんど意味はわからなかったがとりあえず裸ではないということはわかったので、

盲目に近い桃の手を取って二階へとゆっくり導きながら緊張を隠せないでいた。


「拙者にその…肌を見られることに抵抗はないのですか?」


聞くと僅かに口が開いて頬が上気したので、意識していないわけはないことがわかり、さらに緊張の度合いは増す。


「恥ずかしいに決まってるよ。でも…三成さんたちに手伝ってもらうよりは幸村さんの方が安心できるかなって感じ。…わっ!?」


――階段は危ないので、軽々と桃を腕に抱きかかえると上がりながら桃の可憐な唇をじっと見つめてしまう。


男としてはまだまだ意識されていないようだが、少しだけ吹っ切れて、皆が居る部屋の隣部屋に入ると桃を下ろした。


「なるべく肌に触れぬよう尽力致します。何なりと拙者にお申し付け下さいませ」


「ありがとう!えと…じゃあ…あった!じゃあちょっとだけ後ろ向いててくれる?」


「はっ!」


素早くショーツを履いた。

ようやく少し安心して、次は問題のブラを手に幸村の背中を突いた。


「これ…手伝ってくれる?」


幸村が固まった。
< 244 / 671 >

この作品をシェア

pagetop