優しい手①~戦国:石田三成~【完】
城に着いて早々謙信は城を守っていた家臣たちに出迎えられた。


「殿、この度はほんにおめでとうござりまする!」


「うん。ああ、またしばらくのんびりできると思うと気が楽だなあ。あ、私はまた毘沙門堂に居るから、桃は湯浴みをしておいで」


「え、で、でも…」


――また謙信が乱入してきてあちこち触られてしまうかもしれない…。

そう考えた桃は、ずっと黙ったままの三成の袖を引いて見上げた。


「あの…見張りしてもらっていい?まだちょっと目が痛むの」


「わかった」


目が痛むのは嘘ではないが、謙信の存在は桃の胸をいつも締め付けて息ができなくなる。

三成も時々とてもエッチになるが…最近は離れていることが多かったから、一緒に居たい。


「ふうん、残念だなあ。三成に襲われないようにね」


家臣団に囲まれて去っていく謙信を見送り、残った兼続が上機嫌で湯殿まで2人を案内すると、準備させていた白い打掛を広げて桃に見せた。


「うわあ、きれーい!」


「湯浴みの後はどうぞこちらを。姫のお可愛らしいお顔、酒宴の席で皆にとくとお見せくださいませ!」


2人きりになって妙な沈黙が流れると、桃はわざと目を痛がるようにして呻いた。


「桃!?」


「ちょっと目が痛い…かな。どうしよ、お風呂入りたいし…」


「俺が手を貸してやる。…俺が目隠しした方がいいか?」


「ううん、目を閉じてるから手伝ってもらってもいい?」


――精一杯の誘惑――


本当は顔から火が出るほど恥ずかしいのだが、もう謙信にも三成にも裸は見られてしまっている。

今さら、という思いもあって、急に肝が据わると、桃はスカートを脱いだ。


「…背を向けているから先に入っておけ。後で行く」


「うん」


手早くセーラー服と下着を脱いで籠に入れると、ようやくその目で広い風呂場を見ることができた桃は、思いきり歓声を上げた。


「すっごーい!ひろーい!わあ、謙信さんっていっつもこんなお風呂に入ってるんだ、いいないいなー!」


湯を軽く浴びて勢いよく桧の浴槽に浸かり、今までの疲れも吹き飛んだ。


「入るぞ」


そして誘惑相手が――
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