優しい手①~戦国:石田三成~【完】
ぐったりとなってしまった桃の身体をまた強く抱きしめて、

滑らかな背中に指を這わせ、肩に幾つもの所有印をつけて、そして気が付いた。


「これは…私がつけた痕じゃないね」


「っ、それは……三成さんが…んっ」


言いかけた桃の唇をまた強引に奪って、先の言葉を塞いだ。


「やだ、謙信さん、エッチなこと、しないで…っ」


「もうあとひとつしか残ってないよ。ねえ、もしかして酒がもう抜けてるんじゃない?だったら…もう我慢しないから」


「駄目、駄目…!まだ酔ってるもん、止めて…!」


――もう浴衣は何の意味も成していなかった。


謙信の浴衣もかなり乱れて、意外に鍛えられている白い胸が覗いている。


そこで、気が付いた。


そんな白い胸から視線が外せないことに――


「…触ってみたい?」


「……わかんない…」


「好きなようにしていいよ。君の方から私に触ってくれるのは大歓迎だ」


セクシーでいてなおかつ儚い美貌。

三成は…どちらかといえば強引で、荒々しく猛ることが多い。


思えば謙信に一目ぼれしたのは自分の方で、時々意地悪をされても嫌いになるどころか…好きになっていったかもしれない。


だが、三成の存在は頭から決して離れない。


でも…謙信の喜ぶ顔も…見てみたい。

意を決して、謙信の胸にキスをした。


「…はぁ…」


声が漏れた謙信は異常にセクシーだった。


表情を窺うと、瞳を閉じて長い睫毛が震えていた。


「謙信さん…」


「桃………」


大きく身体が揺れて、頭を少し押し付けられて、ため息のような吐息が聴こえた。


「桃…気持ちいいよ…」


「も、駄目、謙信さん、これで許して…。頭おかしくなっちゃう…」


「駄目。君がいけないんだよ、私をまた昂らせて…どうしてくれるんだい?眠れなくなってしまうよ…」


身体をひっくり返されて、背中に雨のようなキスが降り注ぐ。


びくびくと身体が揺れる桃に限りない愛しさを感じながら、謙信は毘沙門天に祈った。


「どうか桃を、生涯私の傍に――…」


願いは叶うのか、それとも――?
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