優しい手①~戦国:石田三成~【完】
奥州の雄・伊達政宗が来たからにはまた戦況が動くのだろう。


――桃はいつものセーラー服ではなく、両親を救出する手助けをしてくれる政宗のために1人で着物を着ようとしていた。


だが今日に限って帯が固くなかなか締められなくて苦戦していると…


「まだか?政宗がうるさくて適わぬから早く大広間へ…」


「あ、三成さんいいところに!この帯締めてくれる?なんか固くって…」


まさか桃がまだ半裸状態だとは思ってなかった三成は、部屋に脚を踏み入れて固まってしまった。


ただ桃にとってはもう三成にも謙信にも何度も裸を見られているので、恥ずかしくはあるが前ほどではなく、耳を頬を赤くして視線をさ迷わせている三成の態度に、赤くなった。


「ちょ、ちょっと三成さん、顔が…」


「う、うむ、すまぬ。帯だな?貸してみろ」


黄金色の見事な刺繍を施された帯を不器用な手つきだったが桃よりもきれいに締めてくれてほっと息をついた時――


「外すのは簡単だが、付けるのは案外難しいものだな」


いきなり低い声で耳元で囁かれて腰砕けになってしまった桃が座り込んでしまい、顔が真っ赤になってしまった。


むらむらが止まらなくなった三成はせっかく付けた帯を外してしまい、肌襦袢を胸の上まで捲られて熱い瞳で見つめるその先は…


「ゃ、見ないでっ!駄目、三成さん…っ」


「そなたにこうして触れるのは久しぶりだ…」


唇で思う存分愛されてがくがく震える桃の身体を抱き上げると隣の寝室に連れ込み、押し倒した。


だが手つきはすこぶる優しく、身体を這う手の熱さと上半身脱いだ三成の鍛えられた身体が薄暗闇の中目に入って、桃の身体も熱くなってきて、三成の肩を押した。


「駄目っ、今から政宗さんたちの所に行くんだから!絶対駄目!」


「また“駄目”か。いつならいい?早々長く耐えられぬぞ。では今宵…俺の部屋に来い」


心臓が痛い位どきんとして何とか頷くと、一瞬見つめ合って、舌を絡めた強引なキスが桃を襲って瞳を閉じる。


――もうあってはならないことなのに、帰る直前までは…三成と謙信に必要とされていたい――


禁忌は甘い蜜の味。


それを我が身で、思い知る。
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