優しい手①~戦国:石田三成~【完】
夜半に燃え上がる安土城――
誰がこんな光景を想像できただろうか。
秀吉の迎えと合流した清野はその後も居って来る刺客たちを確実に仕留めて、ゆかりの手を引きながら山奥を行く桃の両親をじっと見た。
「あの子はどうしてここに…!?もしかして…私たちが捕えられた時に…娘に会いたいと思ったから…」
「ゆかり、今はそれを考えても仕方がない。あの子が上杉謙信の元に居るのならきっと安全なはず。清野さん…桃はきっと可愛いでしょう?妻に似てかわいいはずだ」
「はい、それはもうお可愛らしく…。謙信公と石田三成の間で心が揺れておいでです。…元の時代にはもうお戻りにはならないかと」
「え!?それは一体…」
――1番してはならないことだ。
本来はオーパーツを秘密裏に回収して、秘密裏に帰らなければならないのに、桃はそのルールを破って心を通わせてしまっている。
「そんな…あなた…!」
「ゆかり…私たちはまだあの子が小さかった時に戻れなくなってしまった。してはいけないことも教えてやれず…だからあの子を叱ることはできない。とにかく行こう」
桃の父…茂は、桃がこの時代に来ていると知った時から、それを覚悟していた。
時空を飛び慣れている自分たちは、その時代に溶け込む術を知っているが、桃はきっと、その時その格好のままこちらへ来て、目立ってしまって、そして石田三成や上杉謙信の目についたのだろう。
…逆に言えば、そういった大物に庇護されたからこそ、桃は今まで生き抜いてきたのだ。
「大坂城へ着いたらまず秀吉公とお会いになって下さい。その後、秀吉軍と共に越後へ。信長軍の背後を急襲しつつ、上杉連合軍と合流いたしましょう」
パニックになることなく言うことを聞いてくれるおかげでスムーズに移動することができて、
茂とゆかりはずっと手を握って離さず、ここ数か月ずっと牢に閉じこめられていたために脚が弱っていたゆかりを途中おんぶして歩き続け、そして大坂城へとたどり着き、出迎えに現れていた秀吉を見て驚いて膝をついた。
「豊臣、秀吉…公…!」
「そなたたちが桃姫の親御殿か。待っておったぞ」
――桃は愛されている。
それが何よりの、喜び。
誰がこんな光景を想像できただろうか。
秀吉の迎えと合流した清野はその後も居って来る刺客たちを確実に仕留めて、ゆかりの手を引きながら山奥を行く桃の両親をじっと見た。
「あの子はどうしてここに…!?もしかして…私たちが捕えられた時に…娘に会いたいと思ったから…」
「ゆかり、今はそれを考えても仕方がない。あの子が上杉謙信の元に居るのならきっと安全なはず。清野さん…桃はきっと可愛いでしょう?妻に似てかわいいはずだ」
「はい、それはもうお可愛らしく…。謙信公と石田三成の間で心が揺れておいでです。…元の時代にはもうお戻りにはならないかと」
「え!?それは一体…」
――1番してはならないことだ。
本来はオーパーツを秘密裏に回収して、秘密裏に帰らなければならないのに、桃はそのルールを破って心を通わせてしまっている。
「そんな…あなた…!」
「ゆかり…私たちはまだあの子が小さかった時に戻れなくなってしまった。してはいけないことも教えてやれず…だからあの子を叱ることはできない。とにかく行こう」
桃の父…茂は、桃がこの時代に来ていると知った時から、それを覚悟していた。
時空を飛び慣れている自分たちは、その時代に溶け込む術を知っているが、桃はきっと、その時その格好のままこちらへ来て、目立ってしまって、そして石田三成や上杉謙信の目についたのだろう。
…逆に言えば、そういった大物に庇護されたからこそ、桃は今まで生き抜いてきたのだ。
「大坂城へ着いたらまず秀吉公とお会いになって下さい。その後、秀吉軍と共に越後へ。信長軍の背後を急襲しつつ、上杉連合軍と合流いたしましょう」
パニックになることなく言うことを聞いてくれるおかげでスムーズに移動することができて、
茂とゆかりはずっと手を握って離さず、ここ数か月ずっと牢に閉じこめられていたために脚が弱っていたゆかりを途中おんぶして歩き続け、そして大坂城へとたどり着き、出迎えに現れていた秀吉を見て驚いて膝をついた。
「豊臣、秀吉…公…!」
「そなたたちが桃姫の親御殿か。待っておったぞ」
――桃は愛されている。
それが何よりの、喜び。