優しい手①~戦国:石田三成~【完】
謙信は朝になるまでずっと胸に抱きしめて眠ってくれた。
…前世の謙信からも同じ香の匂いがしたのも思い出した。
あの時も…身分違いの恋に苦しんでいた自分たち――
「…また繰り返したくないな…」
「繰り返さないよ。これで終わりにするんだ。…おはよう桃。よく眠れた?」
「うん、でも絶対三成さんが膨れてるはずだから早く着替えて行かなくちゃっ」
「昨晩のことは内緒だよ」
内緒と言いつつその顔には“ばらしてもいい”という悪戯な笑顔を浮かべていて、セーラー服や下着をかき抱きながら隅に移動すると、頬杖をついてにこにこしている謙信を怒った。
「謙信さん、あっち向いてて!」
「もたもたしていると誰かが乗り込んでくるよ。私を叱るより早く着替えた方がいいんじゃないかなあ」
逆にやり込められてしまい、仕方なく背を向けて慌てて着替えると、謙信はまだ床でごろごろしていて、注意しながら戸を少しだけ開けて外の様子を窺った。
「謙信さんも早く着替えてね、行って来ます!」
「私もすぐに行くよ」
むくりと起き上がったのを確認してから外へ出ると、魚の焼ける匂いとお味噌汁の匂いがしてついお腹が鳴り…
「桃」
「きゃっ!み、三成さんっ!おはよ、いい匂いだね!」
すぐ脇から軽装備の三成が現れ、予想していた通りの仏頂面だったので、つい笑ってしまいながら一緒に段差に腰かけた。
「…今日なんだね。なんか…長かったような、短かったような…」
「短い。俺は一時期記憶を失っていたから、その分謙信よりも…短い」
「三成さん…」
横顔ははにかんでいて、怖ず怖ずと手を伸ばして膝の上の三成の大きな手に触れると、その手の上にさらに優しい手が重なった。
「三成さんの手…優しくて好きだな」
「またそれか。手だけ誉められても嬉しくない」
「手だけじゃないよ、三成さんがすっごく優しくて面白い人だってことよく知ってるもん。…あれ?どうしたの?顔が赤いでちゅよー?」
「う、うるさい!決戦の直前に動揺させるな!」
「楽しそうだなあ、私も交ぜてほしいな」
3人で居ると落ち着く――
3人がいい。
…前世の謙信からも同じ香の匂いがしたのも思い出した。
あの時も…身分違いの恋に苦しんでいた自分たち――
「…また繰り返したくないな…」
「繰り返さないよ。これで終わりにするんだ。…おはよう桃。よく眠れた?」
「うん、でも絶対三成さんが膨れてるはずだから早く着替えて行かなくちゃっ」
「昨晩のことは内緒だよ」
内緒と言いつつその顔には“ばらしてもいい”という悪戯な笑顔を浮かべていて、セーラー服や下着をかき抱きながら隅に移動すると、頬杖をついてにこにこしている謙信を怒った。
「謙信さん、あっち向いてて!」
「もたもたしていると誰かが乗り込んでくるよ。私を叱るより早く着替えた方がいいんじゃないかなあ」
逆にやり込められてしまい、仕方なく背を向けて慌てて着替えると、謙信はまだ床でごろごろしていて、注意しながら戸を少しだけ開けて外の様子を窺った。
「謙信さんも早く着替えてね、行って来ます!」
「私もすぐに行くよ」
むくりと起き上がったのを確認してから外へ出ると、魚の焼ける匂いとお味噌汁の匂いがしてついお腹が鳴り…
「桃」
「きゃっ!み、三成さんっ!おはよ、いい匂いだね!」
すぐ脇から軽装備の三成が現れ、予想していた通りの仏頂面だったので、つい笑ってしまいながら一緒に段差に腰かけた。
「…今日なんだね。なんか…長かったような、短かったような…」
「短い。俺は一時期記憶を失っていたから、その分謙信よりも…短い」
「三成さん…」
横顔ははにかんでいて、怖ず怖ずと手を伸ばして膝の上の三成の大きな手に触れると、その手の上にさらに優しい手が重なった。
「三成さんの手…優しくて好きだな」
「またそれか。手だけ誉められても嬉しくない」
「手だけじゃないよ、三成さんがすっごく優しくて面白い人だってことよく知ってるもん。…あれ?どうしたの?顔が赤いでちゅよー?」
「う、うるさい!決戦の直前に動揺させるな!」
「楽しそうだなあ、私も交ぜてほしいな」
3人で居ると落ち着く――
3人がいい。