優しい手①~戦国:石田三成~【完】
朝餉の用意ができるまで3人で居ようということになり、寺の裏にある歩道を3人で散歩しながら桃がはしゃいで2人の前を歩いた。
「こらこら、転んだら大変だから走るのはやめようよ」
「気を付けてるから大丈夫だよ!ねえ謙信さん、あのこと、三成さんにも話していい?」
「うん、いいけど…三成が妬いちゃってめんどくさいことになるかもよ」
「あのこととは…なんだ?」
自分にだけわからない話をされてすぐに不機嫌な表情になった三成が脚を止め、桃が慌てて引き返すと2人の右手と左手を握って揺らした。
「今から話すから!私も昨日の夜知ったことだし…三成さんにも聴いてほしいの。聴いてもらえる?」
「…教えてくれ。昨晩…一体何が?」
――肌を重ね合ったことは隠したまま、桃は前世から現世まで、謙信と続いている縁を詰まりながら三成に教えた。
その間三成は1度も茶々を入れず、そして謙信も一言も口を挟まず、腰をかがめて野に咲く藤色の花を手に取って香りを楽しんでいた。
そして三成は…理解した。
2人が強く惹かれ合い、強く求め合った意味を。
「前世で…今生で夫婦になる約束を…?」
「うん。私は巫女さんで…謙信さんは名家の跡取り息子で…私は毘沙門天に人身御供になる運命で、男の人とは触れ合っちゃいけなくて、お寺から出てもいけなかったの。でも謙信さんは毎日会いに来てくれて…そして…」
「桃が寺ごと燃やされてしまうことを知った私は、桃に会いに行った。もうこの世には未練などない、桃が居ない世で生きてゆこうと思わなかったんだ。だから私は寺に飛び込んだ。そして…運命を共にしたよ」
「…そうか。それで得心がいった。…そなたは毘沙門天に導かれ、謙信公の元へ行く途中に誤って俺の屋敷の池へ落ちてしまったんだな。…申し訳ないことをした」
三成が頭を下げ、さらに焦った桃は勢いよく何度も首を振ると、握った三成の優しい手をじっと見つめた。
「多分…2人に会う運命だったの。へへ、絶対そうだよ」
「軽々しく言うが…だが…」
「桃の言う通りだよ。だけど私としては三成に会わず私の元へ来てほしかったところだけどね」
減らず口を叩き、2人を笑わせた。
「こらこら、転んだら大変だから走るのはやめようよ」
「気を付けてるから大丈夫だよ!ねえ謙信さん、あのこと、三成さんにも話していい?」
「うん、いいけど…三成が妬いちゃってめんどくさいことになるかもよ」
「あのこととは…なんだ?」
自分にだけわからない話をされてすぐに不機嫌な表情になった三成が脚を止め、桃が慌てて引き返すと2人の右手と左手を握って揺らした。
「今から話すから!私も昨日の夜知ったことだし…三成さんにも聴いてほしいの。聴いてもらえる?」
「…教えてくれ。昨晩…一体何が?」
――肌を重ね合ったことは隠したまま、桃は前世から現世まで、謙信と続いている縁を詰まりながら三成に教えた。
その間三成は1度も茶々を入れず、そして謙信も一言も口を挟まず、腰をかがめて野に咲く藤色の花を手に取って香りを楽しんでいた。
そして三成は…理解した。
2人が強く惹かれ合い、強く求め合った意味を。
「前世で…今生で夫婦になる約束を…?」
「うん。私は巫女さんで…謙信さんは名家の跡取り息子で…私は毘沙門天に人身御供になる運命で、男の人とは触れ合っちゃいけなくて、お寺から出てもいけなかったの。でも謙信さんは毎日会いに来てくれて…そして…」
「桃が寺ごと燃やされてしまうことを知った私は、桃に会いに行った。もうこの世には未練などない、桃が居ない世で生きてゆこうと思わなかったんだ。だから私は寺に飛び込んだ。そして…運命を共にしたよ」
「…そうか。それで得心がいった。…そなたは毘沙門天に導かれ、謙信公の元へ行く途中に誤って俺の屋敷の池へ落ちてしまったんだな。…申し訳ないことをした」
三成が頭を下げ、さらに焦った桃は勢いよく何度も首を振ると、握った三成の優しい手をじっと見つめた。
「多分…2人に会う運命だったの。へへ、絶対そうだよ」
「軽々しく言うが…だが…」
「桃の言う通りだよ。だけど私としては三成に会わず私の元へ来てほしかったところだけどね」
減らず口を叩き、2人を笑わせた。