優しい手①~戦国:石田三成~【完】
その日の夜は桃の話を聞くため、三成は桃を私室へと呼び出した。
すっかり気分は良くなったものの裸を見られたことのショックが未だに癒えていない桃は三成をまともに見ることができない。
「で、相談とは?」
「……えっと…その…」
一人しどろもどろになりっているのがだんだん腹に立って来て、桃は相談も忘れて三成を詰った。
「三成さんって…女の人の裸…見慣れてるの?」
「な、何?」
僅かに動揺して身体を動かした三成ににじり寄っては桃は胸の前で腕を交差させ、頬を膨らませた。
「だって三成さん平然としてるし!こっちは恥ずかしくて顔から火が出そうなのに!」
――三成も思いきり動揺しながら桃の身体を拭き、浴衣を着せては部屋に運んだ時のことを思い出して、つい声を荒げた。
「俺とてあの時は大変だった!好いた女子の裸を見て平然といられるわけがない!」
「…大変って…どう大変だったの?」
三成はまたぎこちなく身体をそわそわさせながら盃を傾ける。
「…大変なものは大変だった!なるべく見ぬようにはしたが…俺でなく相手が謙信であったならば、既に操は奪われていたぞ」
――確かにそうだったかもしれない。
けれど桃にも女としてプライドがあり、三成が平然としているように見えることに悔しさを感じていたのだ。
「…私に女としての魅力がないんだと思ってた…」
「馬鹿な。俺はそなたを好いていると言ったはずだぞ。こっちに来い」
酒の入った三成が危険なことを身を持って知っている桃は伸ばされた腕から逃れようとするが、そのまま搦め捕られて腕の中に抱かれてしまった。
「桃…俺は男として魅力的か?」
耳元でそっと囁いては耳たぶに口づけてくるその感触に桃は思わず声を上げた。
「んっ、三成さ…」
「…優しくしてやりたいと思っているぞ」
首筋を長い指がなぞっていき、唇を何度も押し付けてきた。
「駄目…駄目だよ…っ、おかしくなっちゃう…!」
「おかしくなれ…乱れてくれ、桃…」
いっそう愛しくなる。
越後には行きたくない。
越後には、行かせたくない。
すっかり気分は良くなったものの裸を見られたことのショックが未だに癒えていない桃は三成をまともに見ることができない。
「で、相談とは?」
「……えっと…その…」
一人しどろもどろになりっているのがだんだん腹に立って来て、桃は相談も忘れて三成を詰った。
「三成さんって…女の人の裸…見慣れてるの?」
「な、何?」
僅かに動揺して身体を動かした三成ににじり寄っては桃は胸の前で腕を交差させ、頬を膨らませた。
「だって三成さん平然としてるし!こっちは恥ずかしくて顔から火が出そうなのに!」
――三成も思いきり動揺しながら桃の身体を拭き、浴衣を着せては部屋に運んだ時のことを思い出して、つい声を荒げた。
「俺とてあの時は大変だった!好いた女子の裸を見て平然といられるわけがない!」
「…大変って…どう大変だったの?」
三成はまたぎこちなく身体をそわそわさせながら盃を傾ける。
「…大変なものは大変だった!なるべく見ぬようにはしたが…俺でなく相手が謙信であったならば、既に操は奪われていたぞ」
――確かにそうだったかもしれない。
けれど桃にも女としてプライドがあり、三成が平然としているように見えることに悔しさを感じていたのだ。
「…私に女としての魅力がないんだと思ってた…」
「馬鹿な。俺はそなたを好いていると言ったはずだぞ。こっちに来い」
酒の入った三成が危険なことを身を持って知っている桃は伸ばされた腕から逃れようとするが、そのまま搦め捕られて腕の中に抱かれてしまった。
「桃…俺は男として魅力的か?」
耳元でそっと囁いては耳たぶに口づけてくるその感触に桃は思わず声を上げた。
「んっ、三成さ…」
「…優しくしてやりたいと思っているぞ」
首筋を長い指がなぞっていき、唇を何度も押し付けてきた。
「駄目…駄目だよ…っ、おかしくなっちゃう…!」
「おかしくなれ…乱れてくれ、桃…」
いっそう愛しくなる。
越後には行きたくない。
越後には、行かせたくない。