契約恋愛~思い出に溺れて~
なんとかナビ通りに運転をし、達雄の家の庭に車を止めた瞬間、安堵のため息が出た。
正気な人が一人隣にいるのといないのとじゃ、こんなに違うんだ。
「ほら、達雄ついたわよ」
「んー。……もう飲めねーって」
「誰も飲ませないわよ!」
本当にお酒に弱い。
もう潰れてから1時間以上たってるんだから、いい加減少しは正気に戻ってほしい。
「いいからほら、つかまって」
ひきずるようにして、達雄を車からだし、肩を貸してあげて玄関に立つ。
でも達雄の方が20センチは高いから、正直支え切れない。
家の電気は消えてるけど、綾乃ちゃんはいないんだろうか。
鍵は多分達雄のポケットに入ってるんだろうけど、支えながら探すのも難しい。
悩んだ末に玄関のベルを押した。
すると奥の部屋の電気がついたのが見えた。
やっぱりいるんだ。
正直驚いた。
婚約者と土曜日にデートをして帰ってくるなんて、私だったら考えられない。