契約恋愛~思い出に溺れて~
やがて慌てたように綾乃ちゃんが出てくる。
眠っていたのか、肩まで伸びた髪はぼさぼさで目も腫れぼったかった。
けれども服装は、外出着のようなおしゃれなものだった。
おそらく疲れて眠りこけてしまったのだろう。
彼女は驚いたように、私と私に支えられている達雄をみた。
「紗彩さん」
「ごめんね。綾乃ちゃん。
達雄、飲み過ぎちゃって。部屋に連れて行きたいんだけど手伝ってくれる?」
「は、はい。ちょっとお兄ちゃん」
「ん、あ」
「お酒臭い!!」
綾乃ちゃんが苦い顔をして、反対側の達雄の肩を支える。
2人で引きずるように部屋まで運び、ベッドに横たわらせた時にはうっすら汗までかいていた。