契約恋愛~思い出に溺れて~

やがて慌てたように綾乃ちゃんが出てくる。
眠っていたのか、肩まで伸びた髪はぼさぼさで目も腫れぼったかった。

けれども服装は、外出着のようなおしゃれなものだった。

おそらく疲れて眠りこけてしまったのだろう。

彼女は驚いたように、私と私に支えられている達雄をみた。


「紗彩さん」

「ごめんね。綾乃ちゃん。
達雄、飲み過ぎちゃって。部屋に連れて行きたいんだけど手伝ってくれる?」

「は、はい。ちょっとお兄ちゃん」

「ん、あ」

「お酒臭い!!」


綾乃ちゃんが苦い顔をして、反対側の達雄の肩を支える。

2人で引きずるように部屋まで運び、ベッドに横たわらせた時にはうっすら汗までかいていた。
< 129 / 544 >

この作品をシェア

pagetop