契約恋愛~思い出に溺れて~

嫌だ。
駄目。

ユウが消えちゃう。

そんなのは嫌だ。


瞳の中から、涙があふれ出してきて、私はハンカチでそれを押さえながら、駅までの道をがむしゃらに走った。

息も苦しくて喉も痛い。

けれど動揺で軋む胸が一番痛い。


ユウを、忘れたくない。

なのに、

心が動いてる。

それを実感してしまった。



< 163 / 544 >

この作品をシェア

pagetop