契約恋愛~思い出に溺れて~
『じゃあ、土曜は迎えに行くから。またね』
「あ、うん」
その勢いのまま電話は切れた。
私は携帯をパタンを折りたたんで、一つ溜息をついた。
頬が熱いような気がする。
心が揺さぶられているのを実感して、だけど動いたらいいのか分からない。
英治くんは一体どういうつもりなんだろう。
私のこと、好き……?
そんな訳ない。
だって、好かれる理由が無いし。
ただでさえ、親友の元カノでしかも子持ちで。
英治くんに比べれば、柔軟さのかけらもない頭の固い私。
うん。やっぱりあり得ない。
きっとこの間の人みたいに、
彼氏と別れたばかりの女だと思って、優しくしてくれてるんだろう。
なんて罪作りな人だろう。