契約恋愛~思い出に溺れて~


『実はあの日、達雄の母親のお通夜があったんだ』

「え?」


それは予想外の答えだった。

月曜がお通夜。
という事は、その前日に亡くなったということ?


「どうして教えてくれなかったの?」

『……言われると思った。でも、達雄に言うなって言われてたんだ』

「どうして?」


別れたとはいえ、達雄にはお世話になったんだし、関係がこじれている訳でもない。
私だってお線香の一つくらいあげに行きたかったのに。


『その理由は、達雄から聞けばいいよ。
とにかく、それで会社の女の子と一緒に行ったんだ。紗彩ちゃんが見たのは、多分その時じゃないのかな』

「それなら……」


電話の時にそう言ってくれればよかったのに。
バカみたいに嫉妬して、自暴自棄になってしまった。

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