契約恋愛~思い出に溺れて~


「紗優ちゃんまで連れてくると思わなかったから、驚いた。どうぞ、上がって」


達雄は笑顔でそう言ったけど、紗優が体を固くして動かない。


「紗優、ちょっとだけお邪魔しよう? 
おじちゃんの家なら後で連れていってあげる」

「サユ、おそとでまってる」

「でも危ないよ」

「だいじょうぶ。しらないひとについていかない、でしょ? 
サユ、ここにいる」


どう宥めても動かなさそうなので、庭に居るという条件で紗優をのこして、私は一人中に入った。


達雄は、私を居間に通すと、台所へと向かった。
居間には仏壇が置いてあって、きちんとお花も飾られていた。

私はお線香をあげさせてもらい、手を合わせたあと、飾られていた写真を見た。

初めて見た達雄のお母さんの顔は、当たり前だけど達雄と似たところはあまりなく、綾乃ちゃんを思い出させる頼りなげな眼差しをしていた。

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