契約恋愛~思い出に溺れて~
それって。
……それって。
何か作れという事?
「え……っと」
「鍋とかもいいよね。寒いし」
「あの」
「作ってくれないかなぁ」
「……ハイ」
彼の言葉に簡単に陥落する。
そのままスーパーによって、白菜や魚介類を買いこんだ。
「土鍋とかあった方がいいの?」
「うん。でもなければ普通のお鍋でいいわよ。わざわざ買うほどの事じゃないでしょう」
「そっか。まあそういうのも追々揃えればいいか。気に入ったもん買わないとねー」
「……」
何の気なく、それでも未来を予感させるような彼の言葉に、いちいちドキドキする。
こんなに敏感に反応していたら身が持たない。
聞こえなかった振りをして、車に乗り込んだ。