契約恋愛~思い出に溺れて~


廊下で、園児と先生の話が終わるのを待っていると、サトルくんのお母さんに呼ばれた。

後ろでは、サトルくんが窺うように、こちらをみている。
目のくりっとした可愛い男の子だ。


「横山さん」

「あ、えと、サトルくんの……」

「あのね。サトルがこれサユちゃんに渡したいって。まだ終わらないみたいだから、渡してもらえる?」

「あ、ありがとうございます」


可愛い封筒。

きっとお母さんの趣味だろう。

なんて書いてあるのか、気になるけど。
人の手紙を盗み読みするのはやっぱりマズイ。

サトルくん親子が「さよなら」と園を出てすぐに、お話が終わったのか紗優が出てきたので、手紙を渡した。


「これなに?」

「サトルくんから、お手紙だって」

「サトルくんから?」


紗優の頬が、一瞬緩む。
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