契約恋愛~思い出に溺れて~
「で、この手紙どうするの?」
「うん。……今年は、返事を書こうかと思ってる」
「それって」
彼は私の髪をひとつかみすると、はらりと指からすくい落とした。
「会うってこと?」
続けた私の問いに、彼はゆっくりと口を開く。
「……そういう事になるよね」
「いいじゃない。一度ちゃんと話してみた方が」
「まあね」
「もう、しっかりして!」
そう言って、今度は私が起き上がって彼を上から見下ろした。
驚いたように顔を見開いた彼は、
「寒くないの」
と、私の喉元を指でくすぐる。
その指先の動きに、ゾクリとする。
水面に波紋が広がっていくように。
鼓動が全身に広がり、心が彼に支配されていく。
いけない。
また会話が脱線しそう。
私は口に溜まった唾をごくりと飲み込んで、厳しい表情を作った。