契約恋愛~思い出に溺れて~
「ためらうくらいなら、会いに行きましょうよ」
「……紗彩、一緒に来てくれる?」
「いい、けど。いいの? 行っても。私なんか……」
「未来の嫁さんなんだからいいんじゃない?」
「えっ」
「違うの?」
「ち……」
顔が赤くなる。
もうどうして。
英治くんを励まそうと思ってるだけなのに、こんな話になっちゃうの。
「違くない、……で、いいの?」
「いいよ。前にも言ったじゃん。ただ俺、婿入りする気はないから。そのあたり考えないとなーって思ってるけど」
「う、うん」
説得する勢いを今の会話で失って、私は彼の隣にボスっと体を横たわらせた。
駄目だ。
頭が回らなくなってきちゃった。
なんだっけ。
彼をお母さんに会わせようとしてたんだよね。