契約恋愛~思い出に溺れて~
よくわからないといった風に考え込んだ後、紗優はもう一度口を開いた。
「サユの、おとうさんになってくれるの?」
「うん。俺は紗優ちゃんと紗優ちゃんのママが好きになったんだ。
だからね、一緒に暮らしたいんだけど」
「じゃあ、毎日おじちゃんといっしょにいれるの?
キャッチボールもしてくれる?
父の日の絵をかくとき、おじちゃんの絵をかいてもいいの?」
「うん。俺はね、毎日紗優ちゃんに起こしてもらって、紗優ちゃんと一緒に夜ごはんを食べたいの。いい?」
「……う、うん!!」
紗優の顔が、ぱぁっと明るくなった。
私の方を振り返り、興奮したようにまくし立てる。
「ママ。ホントに? いいの?」
「うん。でもすぐには無理よ。一緒に暮らすお家を探してから。おばあちゃんたちとは一緒に暮らせなくなるけど」
「学校は?」
「今の学校に通えるところで探そうね」
「やったぁ!!」