契約恋愛~思い出に溺れて~
それから何分くらいたったんだろう。
時計の秒針の音がやたらに耳に響く。
眠れずにその数を数えながら、あてどもなく考えを巡らせた。
ユウと出会って、結婚して、
私は紗優という宝物を手に入れた。
私が仕事をして、彼は家庭を第一として出来る範囲での仕事をするという、
一般的な家庭とは少し違ったスタイルだったかもしれないけど、
それでうまくいっていたし、とても幸せだった。
彼がくれる「いってらっしゃい」と「おかえり」で、
私はいくらでも頑張る事が出来た。
けれど、
ユウを失って、その言葉もどこかに消えてしまった。
その代わりに実家に戻り、
私は紗優を守ってくれる両親の手を手に入れた。