契約恋愛~思い出に溺れて~


私に、触れるだろうか。


そう思いながら、じっと待ってみる。

ガサゴソとタオルケットを押し入れから出す音、
扉が閉まる音。

そして近づいてくる。

顔を覗きこまれているのか、彼の息が少しかかる。

けれども決して触れられることはなく、そのまま電気が消えて部屋は静寂で満たされた。

電気が消えた瞬間に、私の心も暗がりにつかまったみたいだ。

寂しい。

悲しい。

こんなに近くにいるのに。


紗優も英治くんも、何だか遠くに行ってしまったみたい。

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