契約恋愛~思い出に溺れて~
彼の手が、首の後ろにまで届いて、強く引き寄せる。
素早くもう一方の手でよろけた肩を押さえられ、重なったのは唇。
昨日あんな感じにもめてしまったから、キスをするのは本当に久しぶりで、恥ずかしいよりも嬉しさが勝ってしまった。
家の前だっていうのに、無抵抗な自分に驚く。
何度か角度を変えて深いキスをされ、首の後ろ側を撫でられる。
体の芯が温かくなってきて、なんだか力が抜けそうだった。
このまま離れたくない。
そんな気持ちが高まった頃に、彼はゆっくり唇を離した。
「抱きたかったな。残念」
なんてぺろりと舌を出して。
「な、もう! バカ!!」
そんな彼に、私もいつも通りの反応に戻る。