契約恋愛~思い出に溺れて~
そのまま、首筋にキスをされて。
情熱的な彼の動きを、全身で受け止める。
終わった後は、朦朧としてしまうほど激しいその行為が、
嬉しくて、愛おしかった。
「ごめん。痛かった?」
無言で、首を振る。
心配そうに肩を抱く彼の腕を枕にして、寄り添った。
「大丈夫」
「ならいいけど。ちゃんと言えよ?」
「うん。……暑いね」
「だな。離れる?」
「ううん。このままで」
そのまま眠りについて、差し込む朝日と共に目が開いた。
新しい家、新しい名字。
それが変わっただけなのに、世界ごと生まれ変わったような気分だった。