僕は生徒に恋をした
「直らないな。
仕方ない。そう遠くないし、家まで送って行くよ」

俺はしゃがみ、山田におぶさるように言う。

「え…いい!」

やましい気持ちではなく、親切心で言ったのに拒絶されてしまうと傷付く。

「いいから乗れって」

今さら引けないので、なかば強引に彼女を背負い歩き出した。

「ごめん」

「気にするな」

「気にするよ、だって先生彼女いるじゃん」

そうか、山田は誤解したままだったっけ。
まさか俺が好きなのは山田だとは夢にも思っていないだろう。
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