僕は生徒に恋をした
冬のある日、私は林原先生に居残りをさせられていた。

わざとじゃなかったけど、頭からカレーをかけられたら誰だって怒ると思う。

だから素直に出された課題を頑張ってやっていたけど、どうも古典の教科書には睡眠作用があるようだった。

うたた寝から目を覚ましたとき、目の前に先生がいたのを見て夢かと思った。

先生はカレーの一件を聞いて大爆笑した。

その笑顔はまるで高校生みたいで、先生には見えない。

とは言え紛れもなく先生なのだから、私なんかは恋愛対象じゃないんだろうなぁと思うと少し悲しい。

帰り際、最終バスが行ってしまったために先生が家まで送ってくれることになった。

内心で林原先生に感謝しながら職員玄関で先生を待つ。

待たせたな、といいながら駆け寄ってくる先生に、私の胸はときめいた。

先生とのデートはこんな感じなんだろうか。
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