僕は生徒に恋をした
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「驚いた。
どうしたの?急に会いたいなんて」

山田は公園に俺の姿を見つけると、笑顔で駆け寄ってきた。

俺は武内が帰った後、すぐに山田に電話をかけ、手嶋先生の実家の近くにある公園に呼び出していた。

気が変わらないうちに。

山田は俺が座っていたベンチの横に腰掛けると、ふわっと笑った。

「嬉しい。
久しぶりに先生に会えた」

「うん」

俺は山田の顔を正面から見れない。

きっと俺が今から口にする言葉が、彼女の表情を一瞬で曇らせるのが分かっていたから。

「ずっと会いたかった」

山田が嬉しそうに言うのが辛い。

彼女の笑顔が、俺が口を開くのをためらわせる。

傷付けるのが怖くてなかなか話を切り出せない俺は、なんて臆病なのだろう。
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