僕は生徒に恋をした
「絶対に嫌」

「子供じゃないんだ、聞き分けないことを言うなよ」

俺は苦笑しながら山田の頭に手を置く。

「先生に比べたら、私は子供だよ」

「屁理屈言うなよ」

俺だって、できることなら山田と別れたくなんかないんだから。

「ごめんな。
初めから付き合うべきじゃなかったんだ。
俺が浅はかだったせいで、お前を傷付けた」

山田への思いが本気であればある程、冷静さを欠く。

それと同時にリスクが高まる、そんな当たり前のことに気付いていなかった俺がバカだった。

「そんなこと言っちゃ嫌だ。
私は先生と付き合えて嬉しかったのに」

大粒の涙が山田の頬を伝うのに、俺は何もしてやれない。

彼女を泣かせた俺に、それを拭う権利はないから。
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