僕は生徒に恋をした
思わず駆け寄った俺に抱きつくと、小さい肩を震わせて言った。

「怖かった…」

抱きしめたくなる気持ちを必死で抑える。

「大丈夫だよ」

「私、雷ダメで…、暗いのもダメで」

なおも山田の震えは止まらない。
本当に怖かったのだろう。

「真っ暗で怖くて、玄関開けたら少しは明るくなるかと思ったら近くで雷落ちて、気が動転しちゃって…」

それで閉めたはずの扉が開いていたのか。

「落ち着けって」

俺は山田の背中をポンポンと叩く。

抱きしめてやることはできないが、これくらいなら許されるだろうか。

「そのうち雷もおさまるし、電気だって復旧するから」

「一人でいるのが怖いよ…」

俺に抱きつく力が少し強まる。
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