2 in 1

自白

宇美が再び学校に行った日、宇美は芝崎結衣に屋上に呼び出された。
屋上に現れた芝崎は開口一番に言った。
「木村君、ごめんなさい。あたしなの…。」
「えっ…。」
宇美はいきなりの自白に動揺を隠せなかった。芝崎は続けた。
「私ね、あなたのことが好きだったんだ。私、球場で見ちゃったんだ。あなたが速水とラブラブのところを。ショックだったわ。私は速水に負けたんだって思うと悔しかった。それで速水を憎んだ。あなたたちの関係を暴露してめちゃめちゃにしてやりたいと思ったの。」
「そうだったんだ…。」
「それで私はミクティでマイミクにバラシた。そうしたらあんなことになってしまって。言うにも言えなくなってしまったの。」
「わかった。もういいんだ。終わったことさ。だから気にしないで。本当のことがわかっただけで充分さ。話してくれてありがとう。」
「木村君…。」
やはり“海”と“一”の関係を暴露した真犯人は別にいたんだ。宇美は速水が犯人ではなかったことを知って胸を撫で下ろしした。しかし、一度でも速水を疑って憎んでしまった自分を責めた。最後まで諦めずに信じてやれなかったことを悔やんだ。
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