キスはおとなの現実の【完】
重い気持ちを引きずって、電車にのって帰路についた。
十五分間、規則ただしい音に揺られて商店街のとおりにでる。

土曜夜の商店街は平日ほどのにぎわいはない。

わたしは立っているのもやっとで、すぐにでもベッドに倒れてしまいたかった。

涙がこぼれないよう、奥歯をかみしめ早足でアパートにむかった。
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