キスはおとなの現実の【完】
「またきてくださいよ。袴田さんの話を毎日きくのが、おれは好きだし。だいいちまだ、ふたりで二本しかのんでませんよ」

そういって千円札を、ひらひらふった。

まったく、この男は。
律儀というか、ほかにいいかたがないのだろうか。
ここにも、かっこうつかないおとながひとり。

わたしはちょっと遠くで立っているカズトさんをまっすぐ見つめた。
涙で焼けた声を張る。
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