普通恋愛結婚

「なんやねんっ!もう、うち帰るでっ!」

「ほんま…??杏里ちゃんって何部やったっけ??」

ほんとは知っとる。でも、話を続けたいから分からないふりをする。

「吹奏楽部!でも今日は休みやねん。」

「そうなんや。」

「うん」

あ…やべぇ…。
話が止まっちゃった。

「じゃあ、またな」

杏里ちゃんは手を降って香美ちゃんに着いていった。

でも俺は

「もっと話そうや」

と言って呼び止めてしまった。
やっぱ感情は押さえられへん。

「え…せやかて、うち…こうちんと帰るから…」

杏里ちゃんの顔は真っ赤だった。

ほんま可愛いよな。

ツンデレやな、ほんまに。

「あたし別にええよ、話したら?」

「えっ、」

香美ちゃんは、冷静な声で言った。

その言葉にビックリする俺。

香美ちゃんは俺を応援してくれとんのか…?

「こうちんが言うならええけど…」

「じゃあ、あたしは帰るで。ばいばい。」

「うん、またね。」

不安そうな杏里ちゃんの顔を横目で見る。

急に女の子らしくなるんが可愛いな。
モジモジしとんねん。

「杏里ちゃん、俺と付き合わへんの?もういい加減決めてや。」

「また、そんなんゆうて…」

「本気やで?」

「もっと可愛い子ようさんおるやん。」

「杏里ちゃんが、ええねん。」

「……」

間が空いた。
顔を真っ赤にした杏里ちゃんは俺の顔の目をしっかり見て言った。

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