普通恋愛結婚
「どこが好きなん?」

「よう分からん、」

「えっ…?」

そりゃ、変やんな。

こんだけスキスキ言っといて、どこが好きなねかは分からへんねんもん。

分かることは…

「一目惚れや」

「っ……」

ビックリした表情をする杏里ちゃん。

ゆっくりと口を開いた。

「…おかしいやん、一目惚れとか…。こんな顔で…一目惚れされるような美人やないし…。」

ちゃう…。

俺は外見だけで一目惚れしたんやない。

あの事があってから、俺は杏里ちゃんが好きになった。

「俺は初めて見たときに、杏里ちゃんが天使のように見えたんや。」

「は…はあ!?何言っとん…恥ずかしいこと言わんといてやっ、」

隣に座ってる杏里ちゃんを見た。

でも顔を隠すように俺の反対方向を見ていた。

顔は見えへんけど、耳まで真っ赤やった。

やから今、杏里ちゃんはきっと顔まっかっかなんやろうな…。

すぐ顔赤くなるんやな…。

照れ性なんやな…。

いろんな杏里ちゃんを知っていくのが嬉しかった。

隣にいる小さいからだの杏里ちゃんが愛しかった。

今なら抱き締めれるのに、付き合ってもないんやから、そんなん出来ひん。

それに、そんなんして嫌われたくないしな…。

ただ、ただ隣にある小さな背中を見て、守りたいって強く思った。

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