藍色の城
そっと悪魔が囁いた。
【スベテコワレテシマエバイイ───】
トボトボと街路樹を通り抜け、
大通りに差し掛かる。
どこまで走って、
どこから歩いてきたのか
わからない。
パッパー!と鳴り交う車のクラクション
やライトが時々濡れた頬を照らし出す。
私……泣いてんだ。
無意識にショック受けてんだね。
『ねぇねぇ、ヒマしてんなら一緒に
遊びに行かない?』
横から覗き込むようにナンパしてきた
若い男の子たち。
無視して歩いてもやたらしつこくて
段々イライラしてきた。
『ウルサイなぁ!これから彼氏と
待ち合わせなの!わかったらとっとと
散れ!』
暴言を吐いたら
『調子のんなよブス!』って言って
去って行った。