藍色の城



なにコレ……!?
昼ドラじゃあるまいし。



当然、陽は追いかけて来て私を呼ぶ。
掴まれた手を振り払った。



『もう信じない…!!二度と目の前に
現れないで…!!』



鋭く睨み付けた後、
逃げるようにその場を走り去った。



すぐに携帯を取り出し、
陽の番号を着信拒否設定にした。



後から後から
やりきれない気持ちが私を襲う。
腹が立った。
あの女もそうだけど、
それ以上に陽に対しての怒り。



裏切られた孤独感。
突然与えられた空虚感。



私との今までは何だったの?
『好き』と言った気持ちは
嘘だったの?



もし私が居なかったら
あの女とセックスしてたの?



私は大人しく、
自分の家で待ってるだろうって
思ってたんでしょ?







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