藍色の城



『咲妃さん……!!』



前方から聞こえたキミの声。
顔を見た瞬間、
やっぱり泣きそうになった。



コンビニに入ってなかったことを
怒られてびっくりしたけど、
真剣に怒鳴ってくれたことが
すごく嬉しくて、真っすぐすぎて
自分にはもったいないくらいで…。



思わず首に手を回してギュッと
抱きついてた。



お願いだから…ギュッてして。



コウくんはぎこちないながらも
ちゃんと応えてくれた。



『兄貴と何かあった?泣くってこと
は何かあったんだろ?』



優しく耳元で囁くから、
溢れ出る涙は止まらない。



『知ってる?ボクが一番嫌なのは、
咲妃さんの涙だよ。笑っててほしい。』



ねぇ、何でそんなこと言うの…!?
もう止められないじゃん…。



『もしもその原因が兄貴にあるなら
ボクは兄貴を許さない。』



あぁ……もうムリ……!!










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