藍色の城
『ごめん。咲妃さんのワガママには
もう付き合えない』って言ってよ…。
そしたら私だって目が覚めるかも
しれないのに……。
どうしてキミは陽じゃなくて
コウくんなの……!?
どうしてキミは今一番欲しい
言葉を聴かせてくれるの……!?
──どこに居るの…!?
居場所を伝えると近くのコンビニに
入ってろって言う。
寒いからそう言ったんだと思う。
だけどワガママが止まらない私は
まるでダダッ子のように嫌だと言った。
──今すぐ来て。
コウくんに逢いたい…!!
電話を切った後、溢れ出る涙を
拭った。
自分で、もう取り返しのつかない
ことくらい自覚している。
きっとコウくんは来てくれるって
どこかで信じてた。
わざと怒るような真似をしても、
本気では怒らない。
もしかしたら……って期待が
私を突き動かした。
キミの想いが私に向いていてほしい。