藍色の城



『……はい。』



『いくつですか?ホントに?
全然見えないんですけど。』



『……26歳です。』



『見えない…。』



『ありがとうございます。』



社交辞令でお礼を言うと、
『恋人はいますか?』と真顔で
聞いてきた。



ハサミを持つ手が止まる。



『今は…いません。』



鏡越しにぶつかる視線を
わざとそらした。
ていうか、耐えれなかった。
集中出来なくなるのは
マズい。





< 8 / 121 >

この作品をシェア

pagetop