miss.
「佐野ってさぁ……」
ポリポリとポッキーをかじる愛美と、指で毛先をいじる華菜恵。
「あいつ、」
トイレから帰ってきた、みなみとあずさ。
「……彼女とかいんのかなぁ」
「え?」
みなみとあずさが見事にハモった。
華菜恵のリアクションは薄く、愛美はおもむろに携帯を取り出した。
「祐司に聞いてみよっか?」
「や、ちょ、やめて!」
「好き……」
「なわけじゃない!」
あずさの言葉を遮って出た私の声は、賑やかな教室に響いた。
一瞬静かになったかと思うと、またすぐに騒がしい昼休みの教室へと戻った。
「……とにかく、余計なことはしないでね。ただ、林田がウザいって話……」
ニヤニヤするあずさ、微笑むみなみ、ニコニコする華菜恵、
そして、首をかしげる愛美。