空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜





開放されていく気配を背に
辺りに何か ―――

どこか、伝言出来る 場所を捜す


券売機、改札

… やっぱり、チョークで書くような黒板や
ホワイトボードみたいな物はなくて



「 ―― 紙… は、飛ぶか… 」



書く=紙と思い付きはしても
手元には携帯と
今はあまり、使う事もない紙幣





――― コンビニがある



外から覗いてみても
案の定 ほぼからっぽ

いつ張り付けたかわからないが
すすけた "臨時休業"のチラシ





「 あー 去年の暮れだったかよ
非難命令が、テレビで流されたのはさ 」



「 マサルさん! …お帰りなさい 」



「 どうした? 」



「 ―――…… あ 」





一体 どこで見つけて来たのか
日に焼けた腕に抱えたものは
缶づめ、ジュースやら、菓子類の山



でも、ボクの視線は

マサルさんの背後にある
ホームセンターのカンバン ――――





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