バニラ
「さ、サボるって…」

「南野課長がうまく言ってくれると思うよ」

「いや、そう言う問題じゃなくて…」

「俺のことが嫌いなの?」

恭吾に見つめられる。

「そんなんじゃ、ないけど…」

言いにくそうに言ったあたしに恭吾がフッと笑った。

「理彩…好きだよ」

スルリと唇から出てきた愛の言葉が、あたしの耳に入って行く。

「…あたしの方が、恭吾の倍好きだもん」

あたしのセリフに恭吾は優しく微笑むと、こう言った。

「愛してる、俺だけのフェイトムーン(運命の人)」
< 141 / 150 >

この作品をシェア

pagetop